最近良いなと思った作家三選

なんかこの手の記事って10やら20やら選んでて*1
多すぎて大杉勝男になりがち*2なので三選です*3
全員女性で全員何何子なのはどっちも偶然。

宮木あや子

一番おもろいと思う本:雨の塔

 一言で言うと振り幅がバケモン*4。一番おもろいと思ってる『雨の塔』は文体も設定もとっつきづらくてエンタメと真逆*5*6に突っ切っててぼくが書くものとは全然違うんだけどぶっ刺さって五周以上読んだ。陸の孤島の学校に入学『させられた』訳アリの女学生四人がキスしたりレズセックス*7したりして人間が滅茶苦茶になる話です。大好き。大好きだけど他人が読んでおもろいのかはわからん。とっつきづらいので。
 で作家読みして『校閲ガール』を読んだ。正統派ド王道エンタメお仕事小説石原さとみ菅田将暉主演でドラマ化してる。恋愛もあるよ生理もあるよ。斬新な設定にエッジの効いた人物描写、予想できない展開、ちょっぴりミステリー。マジでバキバキのエンタメ。しかも校閲っていう仕事上、小説の中に別の人間が書いた別の小説がわんさか出てくる。サラリとこんなのやってのけるのはバケモンだ!
 もともと官能小説でデビューしてる。『官能と少女』がむちゃくちゃ好き。背徳とか倒錯とか毒があってこそ官能だろ!と思ってるタイプの人間にオススメ。あと人間が滅茶苦茶になる。
 どんな作品でも共通してるのが服飾描写の細かさ。特に雨の塔がヤバくてワケわからんくらい専門用語出てくる。何周したかわからんけどどんな服なのか未だにようわからんこと多々ある。
 太陽の庭なんてなかった*8

山崎豊子

一番おもろいと思う本:沈まぬ太陽*9

 単独の航空機事故で世界最悪の死者数520名を出した日航機123便墜落事故をベースに脚色を加えて文庫五冊のボリュームで書ききった『沈まぬ太陽』。御用組合、労組対立、不当労働行為とか聞いてテンション上がるタイプの人間にオススメ。あと人間が滅茶苦茶になり散らかす。それとドラマ版*10の再現度が秀逸。暗めの画面トーンが物語の雰囲気でぴったりだし、人物の服装に時代が現れてて良い*11*12し、役者の演技も真に迫っていてグッとくる。堂本の得体の知れなさがキレッキレで好き。
 恩地の不当配転を皮切りに訪れる苛烈な展開の連続、そして墜落事故。検死のシーンは正に地獄。『一切の補償を受けない遺族』のくだりがぶっ刺さってずっと心に残ってる。脚色はあれど520名の死者を出した事実は揺るがない*13
 あ、白い巨塔とか書いてるらしいすね*14
 次は大地の子を読みたい。

加納朋子

一番おもろいと思う本:カーテンコール!

 登場人物はそんなに滅茶苦茶にならないけど作者自身が滅茶苦茶になりかけてた*15白血病の闘病レポ『無菌病棟より愛を込めて』が面白かった。夏風邪から徐々に診断名が変わっていく過程とか作家らしく取材だと思うことにしたっていう前向きさだったり、白血病なんてフィクションでも逆に使わないよね」、なんてやり取りをしてたり地に足のついた闘病レポ、という感じだった。しなやかな強さというか、見習いたいなあ。
 で、文体が良かったから『カーテンコール!』を読んでみたらめちゃくちゃ良かった。廃校が決まった女子大で留年した面々を集めて寮生活させてどうにか卒業させてやろう、って掴みがもう面白い。色んな事情を抱えるキャラクターの群像劇で「同室モノ*16」としてカップリング要素というかコンビ要素があるのがたまらん。笑いありちょっとしたトリックあり最後には大団円のカーテンコール!
 図書館で借りて読んだんだけど手元に置きたいレベルで好き。

 

---

とまあそんな感じです。
作家読みを基本しない・小説を読み返さない僕が
作家読みしたい・読み返したいと思った作家三選でした。

*1:オススメアルバムとか曲とか

*2:よう知らん選手でもとりあえずネタにするスタイル

*3:好きな作家がそんなにおらんというのもある

*4:最近ささぼーの動画くそ見てる

*5:こういうのなんて言うんだ?純文学?

*6:主人公の矢咲実が好きすぎて自分の小説で土井実っていうオマージュキャラクターを出した

*7:このシーンの文章ヤバ過ぎてくそ好き

*8:嫌いじゃないけど好きじゃないよ、がぴったりな感じ。人間はめちゃくちゃになるけどこうなんか……ね?

*9:というかこれしか読んでない

*10:アマゾンプライムにあるよ。映画は知らん

*11:昔の日本の描写が好き。職場で煙草吸ってたりとか

*12:僕自身は嫌煙家だけどそういう風景は好き

*13:まあ労組のあれこれは会社側が全面的に悪ってわけじゃないらしいけどよくわからんので詳しい人教えてください

*14:読んでも見てもいないので……

*15:くそ失礼

*16:なんだこのジャンル。悪魔のリドルしか知らん